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 こうした訪問の結果を主治医にホウレンソウ(報告・相談・連絡)
し、必要に応じて処方薬の変更や追加あるいは低減を提案します。
これは、多くの患者さんの訪問診療をしている医師にとってはあり
がたいことです。
 わたくしの経験でも、提案に応じ処方変更を受け入れて頂いたこ
とがたびたびあります。 
ここにこそ、“チーム医療の真髄”が
あります。



 このような、専門職としての働きがいに加え、信頼感の上に成り
立つ、患者さんとの良好な関係も、大きなやりがいとなります。わ
たくしたちの訪問を心待ちにしている患者さんが、一人でもいらっ
しゃることで、元気と使命感が湧いてくるのです。
 調剤薬局の薬剤師の働きがいは、「チーム医療」の一員として在
宅療養の支援の輪に積極的に参加することにより、新たな展開が期
待できることです。医師をはじめ医療・介護の専門職の方や、地域
に暮らす患者さんとの良好なコミュニケーションが広がることで、
その充実感はいっそう高まります。
 ご一緒に、新たなやりがい、生きがいにチャレンジしようでは
ありませんか!
 みなさん、「チーム医療」という言葉の真の意味を理解していま
すか?──医師の指示のもとに検査を行い、その結果や所見に基づ
き患者さんを入院させたり手術を施したり、リハビリテーションや
薬物治療をしたり栄養療法をしたりしますが、この一連の医療行為
を「チーム医療」というのではありません。


 医療提供システムは一見、医師を頂点とした「ヒエラルキー」つ
まり、ピラミッド型の階層構造のようにとらえられていますが、実
はそうではありません。いや、そうあってはならないのです。
 確かに、医師の指示がなければすべての医療行為は発生しません
し、その法的責任は医師に集中しています。しかしここで、逆転の
発想をしてみます。


 すべての医療行為について、医師一人に責任を負わせてよいもの
でしょうか? 換言すれば、すべての医療行為について、医師に完
璧な知識と判断力を求めるのは、医療専門職(ここでは医師以外の
すべての医療職=コメディカル)の怠慢というのは言い過ぎでしょ
うか?結論を申し上げますと




「チーム医療」の定義 は次のようになります。
 「コメディカルが各々の専門領域において医師と同等以上の知
識・経験・判断力を身につけ、医師の求めに応じ適切なアドバイ
スを提供することにより、その時点で最適な治療を施す体制。」

 したがって、コメディカルには医師と同様、日々情報を入手した
り新しい知識や技術を習得したりして、研鑽を怠らないようにする
努力が求められます。


 さて、私どもさくら薬局が現在一番力を入れているのは、患者さ
んの自宅や療養施設にお伺いする「在宅患者訪問薬剤管理指導」(
医療保険)および「居宅療養管理指導」(介護保険)です。保険の
種類により名称は異なりますが、内容は全く同じです。


 薬剤師の方はご存じでしょうから一般の方のために説明します。
これらは通称「訪問服薬指導」といわれ、自宅または療養施設にお
いて継続的に薬物治療を受けていらっしゃる患者さんに、医師の求
めにより薬剤師が訪問し、薬の効能や副作用、サプリメントを含む
食品との飲み合わせなどを説明します。
 しかしそれ以上に重要なポイントは、医師の指示通り薬を使って
いるか、他から処方されている薬が隠れていないか、副作用や併用
薬による相互作用は出ていないか、病気は状態が悪化していないか、
予期せぬ症状が出ていないか、などをチェックすることです。



 高齢者の場合、慢性期の病気が回復することよりも、改善または
悪化させないことが治療の主旨です。しかし自然な変化=老化現象
として、治療中の病気が悪化したり別の病気が現れたりします。そ
の兆候をタイムリーにとらえ、薬理学的な考察をすることも、訪問
薬剤師の重要な役割です。
SAKURA Pharmacy Corporation